「ねー、ヒロキくんさー。また、女の子、フッちゃったんだってねー?」
「そんなん、どっから聞いたの?」
「(宮田)ハルマくん」
「もーー、あいつ嫌い、、、」
「フッたっていうかさー、全然知らない子が待ち伏せしてて、
いきなり好きですって言われただけだよ?怖くない?」
「うわーー。そういうの、一度でいいから言ってみたいよー」
「からかわないでよ。ドッキリだったら良いけど、
ゴメン、付き合えないとか言うと、いきなり泣いちゃったりするんだよ?
ミッキーが、その子なぐさめてくれたけど、逆ギレして追っかけてきたら怖いし、
それに、ずっと誰かに見られているような気がして、ほんと、怖いんだから」
ミッキーの慰め内容:
あの人、頭おかしいからやめておいたほうが良いよ。
数学、数学、数学が大好きで、
わけわかんないタイミングで、数式書き出すし、
それ今じゃないでしょ?っていうと、うるさいって怒るし。
わけわかんない数式について質問されることもあるからさー。
多分、君だと、対処できないよ?
(ヒロは数学マニアのフォーラムで質問しているので、一般人に質問するようなことはありません)
「気にしてるんなら、ヒロキくんは普段から、
もうちょっとちゃんとしてた方が良いと思うけどなー」
「えー?俺、ちゃんとしてるでしょ?」
「はいはいー、ちゃんとしてますねー。
ちゃんとしてるから、野菜も、ちゃんと食べましょうねー」
「あー、セイジくん、こっちおいでよー。一緒に食べよー。ヒロキくんも居るよ」
「ゴリか、、、(着席)。ごめん、チャパ、さっきは少しふざけすぎた」
「もう気にしてないから良い」
「あー、俺、おかわりもらってくるねー」
ウッチーと向かい合っての学食。強がって気にしてないって言ったけど、やっぱ気まずい。
「ねー、グッチーさー、俺たち(吹奏楽部)、
学祭の時に、小さいユニットで何か出来ないかなーって話しがあるんだけど」
「ブラス系(金管楽器)はイメージ湧かないなぁ。
木管系とピアノとかだと、オシャレな感じになるかもしんねーな」
「でね、軽音とコラボできるのかなーって、ちょっと考えてたんだよね」
「はぁ?めちゃ難しくねーか?
ドラムは被るし、エレキもベースも音量あるから、木管だと音消えるだろう?」
「だよなー。やるとしたら、ブラス系かなー」
「武田真治とか、サックスでけっこうライブに出てるみたいだけどな」
「サックスは木管だけどね。
ねー、グッチーはさー、アコースティックは弾けないの?」
「弾けないことはないけど、性に合わねーな」
戻ってきたゴリくんが、俺たちを見てニヤニヤしている。
「何だよ、ゴリ。面白れーことでもあったのか?」
「いやー、俺、嬉しいよー。ヒロキくんとセイジくん、本当は仲良いんだねー」
「はぁ?」
「仲良くなんかねーわ」「仲良くなんかねーわ」
先に食事を終えた文系連中がやってくる。
「宮田、おめー、あることないこと言いふらすなよな。
いー加減にしないとぶっとばすぞ」
「おうー、筒井か、ちょうど良かった。
監督が、服取りに来いって言ってたぞ」
「へーい」
「監督?チャパ、お前、宮城のやつと、なんかあったのか?」
「あった」
「宮城先生、ヒロキくんをかばって、足、捻っちゃったんだよねー。
それで足首が腫れちゃったみたい」
「あのチャラ男、そんな熱血教師みたいなことすんのかよ。めちゃウケるわー」
「グッチー、うるさい」
「まぁ、監督の怪我も大したことないそうだから、気にすんなw」
「うん」
「チャパがこんな大人しくなるなんて、傑作だな。めちゃ笑えるわ」
「おめー、さっきから、うるせーって言ってんだろ!ぶっとばすぞ」
「ほらほら、ヒロキくんー、すぐ怒らないの!
セイジくんもだよ!ヒロキくんだって、すごく気にしてるんだからさー、
からかわないであげてよー」
「もういい。ゴリくん、ブロッコリー食べて」
「もー、ヒロキくんー。好き嫌いしてると大きくならないよー」
「もう、大きくならないから要らない」
「ゴリってさー、もう完全に筒井の保護者だよなーw」
「あのバカ、三木や錦織がいなかったら、単なる厄介者だぞ。
松尾。悪いことは言わない、考え直せ」
「何で揃いも揃って、筒井君のこと悪く言うかなー?
話してみたら、いい奴じゃんって思うかもしんないでしょ」
「筒井がか?ありゃ暴走機関車みたいなもんだろww」
「まぁ、それも面白いかもしれないな。盛大にガッカリしろ」