「グッチー!言いたいことだけ言って、逃げんじゃねーよ!」
「逃げてなんかねーわ。お前なんかワンパンで⚪︎ぬだろ」
「ワンパンで⚪︎ぬかどうか、試してみろよ!」
「はいはい、ヒロキくんー、セイジくんも軽い冗談で言っただけなんだからさー、
すぐ怒らないでよー」
「あー、ゴリくん、また俺を丸め込もうとしてるでしょ」
「ばれたー?」
「3年も一緒にいたら判るよ」
「まー、一緒に学食行こー。メシ食ったら忘れるってー」
「ゴリくん、俺とばっかじゃなくて、メグと一緒に食べればいいのに」
「メグは、何て言うか、ちょっと恥ずかしいみたいでさー、
女友達との方が良いって言うから」
「そうなのかなー?俺が居ない方がいいのかな?」
「ヒロキくん、そーいうことじゃないよー。
他の人に見られるのが、まだ恥ずかしいだけだよー」
「えー、ゴリくんがメグを迎えに来てんの、皆んな知ってると思うけどなー」
俺たちの学園は、大まかにいうと、文系のA棟、理数系のB棟に分かれている。
基本的に、2年から文理の選択があるんだけど、俺は理数系の特待生なので、最初から理数系のB棟。
多分、後から、作ったのかな。
学食とか、体育館、プールに行くのには文系のA棟を経由しなきゃなんない。
「シノくんはさー、せっかく付き合ってるんだから、ジュンコちゃんと一緒に食べればいいじゃん」
「俺は、そういうのはいい」
「シノくんは、冷たいなー。俺が彼女だったら、ご飯一緒に食べたいと思うけどなぁー」
「松尾みたいにでかい女は居ない」
「だから、たらればの話でしょw」
「そういえば、ヨリ、この間も告られたんだってなぁw」
「宮田、もー、そういうの、ペラペラしゃべらないでくれる?」
「しかも、あの花園ヒメコだぜ。草生えまくりだろww」
「あの花園がか?それで松尾は、OKしたのか?」
「、、断った。これから受験もあるわけだし、うわついているわけにもいかないじゃん」
「松尾ほどの男前がなぁ。引くてあまた、選び放題だろうに」
「そんなこと無いよ」
「ヨリ、もしかしてあれって、本気で言ってた、ってことなのか?」
「あれとは?」
「入学した時から、筒井のこと気になってたってw」
「はぁ?あのバカをか?」
「うん、、多分本気、、
マスクしている時は、どんな人なんだろうと思ってたんだけど、
外した時のキラキラにいきなりやられちゃって、
気がつくと筒井くんを目で追っちゃっている時がある」
「まぁ、確かにイケメンではあるけどなぁw」
「それに、サックスを演奏している時なんて、めちゃくちゃ格好いいんだよ」
「乙女か!馬鹿げている。
あんな厄介者より、松尾に似合う奴はいくらでもいるはずだ」
「しょうがないじゃん。いきなり好きになっちゃうことってあるでしょ?
俺、最初見た時、女の子だと思ったもん」
「ないない。ブレザー着てただろ?バカが感染ったのか?
それに2年もあったら、告るチャンスなんていくらでもあっただろう?」
「それがさー、筒井くん、いつも、錦織くんや三木くんにロックされてて、
話しかけるチャンスがなかなかねー」
「まぁ、あんなバカは、辞めておいた方が賢明だ。現実を見ろ」
「シノくんに、そういうふうに言われるとは思わなかったなー」
「ま、俺はおもしれーから、どっちでも良ーけどなw
それにしてもシノ、お前、筒井の話になると、とたんに機嫌が悪くなるなw
同じ特待生だからか?」
「知るか。あのバカのことなど、どうでも良い。
メシが不味くなる。この話は終わりだ」