君が微笑んでくれるから Ep05雨宿り-4

君が微笑んでくれるから

近くの林に、雷が落ちた。
「雷、近いですね」
「これは、ゲリラ(豪雨)来るかもね。って、あー、もうポツポツ降ってきた」
「ヨリ先輩、ウチまで走りましょう」
「うん、そうだね」

ビッビーッ!後方からバイクみたいな自転車が凄い勢いで迫ってくる。
「ツー!危ない!」思わず、ツー君を引き寄せた。
「危ねぇなぁ、あのでっかい自転車のウーバー、超怖いよな。ツー君、大丈夫?」
「はい、大丈夫です」

雨はすっかり土砂降りになっていた。もう二人とも、びしょ濡れだ。
「あーくそー、あの野郎、
ウーバーの番号覚えとけば良かった」
ツー君にぎゅっと抱きしめられた。
「ヨリ先輩、やっぱり背、高いですね、、、ちょっとドキッとしてしまいました」
「ツーくん?」
「ごめんなさい。ジョークです。忘れてください」
「忘れる。それに、ツーくん、本当は好きな人いるでしょ?」
「判りますか?」
「見てれば判るって」

「春日部先輩はF4って言いましたけど、俺は、F4みたいにカッコいいですか?」
「ツー君は、カッコいいってよりは、可愛い系かなー」
「日本語の可愛いは、色んな使い方があります。どの可愛いですか?」
「あー、日本語めんどくさー。とにかくね、
ツーくんはF4なんだよ。絶対大丈夫だから、正直にプロポーズすること、いいね?」
「はい。今はとりあえず、ダッシュして、俺のホームステイ先に行きましょう。
あとからゼンも来ますよ」

ツーくんのホームステイ先で、シャワーを浴びさせてもらう。
「制服のズボン、完全には乾かないと思いますが、タオルに挟んでおきます。
シャツや下着は今洗っています。
あと、ゼンの服と下着を置いておきますね。好きなの着てください」
と、バスルームの外からツーくん。
「ありがとー。助かるー」

ほんと助かったー。とりあえず一息。
部屋に入ると、2段ベッドと机とテレビ、ゲーム機もある。
本棚にはやたら画数の多い漢字の本もいくつか混じっている。
ここで、ツーくんとゼンくんは暮らしているのかー。

しばらくすると、ツーくんが髪をタオルで拭きながら戻ってきた。
「先輩、背が高いから、ゼンの服、ちょうど良いですね」
「そうだね。ゼンくんは、まだ学校で練習してるのかな?」
「はい。ヒロ先輩とまだ学校に居るみたいです」
「じゃぁ、俺は、ツーくん達の部屋に居るよって送らなきゃ。
せっかくだから皆んなでちょっと遊ぼうよ」
「えーと、それはやめましょう」

「え?何で?」
「それはですね。実は、ゼンとつまらない言い合いをしてしまいまして。
お互い、気まずくて、このところあまり話をしていないんです」
「あー、なるほどねー。じゃー、ヒロは居ない方がいいかもだねーw」
「はい、そうですね」

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