君が微笑んでくれるから Ep04 F4-5

君が微笑んでくれるから

振り付けは時々、エミリ達に見てもらうけど、
やっぱヨリくんが、ガミ無し(鏡無しに)になると、
緊張しちゃっていきなりできなくなるなー。フリは入ってるんだけどなー。

「ヨリくん、一応、フリは入ってんだけど、ガミ無しになるといきなりテンパるよね」
「エミリもそう思う?
今まで人前に出るようなこと無かった人だから、緊張しちゃうんだろねー。
なんかいいアイデア無い?」

「チャパ、じゃさ、明日ヒロミに頼んで、可愛げな男の子4人くらい借りてきてよ」
「4人追加って、それじゃモロ、オリジナルのキンプリになっちゃうじゃん」
「6人いれば、色々やりようがあるしょ。それに、みんなで踊ると、楽しいしね」

翌日。
春日部ヒロミ、いつもこんな所で練習してんだ。
「ヒロミー、久しぶりー。ドレッドにしたんだ。かっこいいねー」
「なんだ、チャパか、何の用だ?あと、下の名前で呼ぶんじゃねー」
「そこは、お約束でしょー」

「実はね、学祭関連で可愛い感じの子をあと4人貸して欲しくて」
「昨日も、4人貸したよなー?」
「色々あって、もうちょっと必要ってことになっちゃって」

「そんなら、スジってもんがあんだろ。チャパじゃなくて、シノが来いよ」
「シノのご機嫌とっとくと、こんな場所で練習しなくてもよくなるかも知んないじゃん」
「こんな場所だと?温室育ちのおめーにはわかんねーだろ」
「はぁ?誰が温室育ちだって?オメー、無駄にでけーからって、イキがってんじゃねーぞ」

「はいはい、ストップ。そこまで、そこまでーー」
「シノ」「シノ、、」
「このバカをよこしたのは、完全に俺の采配ミスだ。謝罪する」
なんだよ、エミリのやつ、シノと通じてたのかよ。

「改めて、俺から依頼する。ダンス部男子から、4人貸して欲しい」
「だったら、最初からそう言えよな。
お前、なんだかんだで、チャパのこと、気に留めてんだな」
「は?どういう意味だ?」
「全く、お前って奴は、本当に不器用な男だな。
LINEでエミリから話聞いた瞬間にひらめいてたぞ。
ショウ、ライト、ゼン、ツー、こっち来い」

「なんスか?さっき言ってたアツいステージのことっスかー?」
「はぁーー(溜息)、だから最初っから俺たちにまかせろって話、ヒロミ先輩」
「楽しいことなりそうですね。僕は問題ないですよ」
「本当にステージで踊れるんですか?これはヤバいですね。」

ヒロミと違って育ちの良さそうな感じの二年生4人。
「おい、春日部、何だよ、こいつら?笑えてくるくらいイケてんだけど。
隠し玉中の隠し玉じゃねーか」
「だろー?来年あたり、宮高のF4になってるかもなー」
F4って何?

「左宮寺、ダンス部に入っているなら先に報告しろ」
「すいません、どうにも言い出しづらくて」
「シノ、ショウを責めるな、これは俺のせいでもある。
俺はお前みたいな奴は好きになれない。お前もそうだろう?
でも、それを後輩にまで伝えてはいけないと思った」

「チャパ、シノ、俺が手塩にかけて育てきた4人だ。好きなようにコキ使ってくれ」
「へーい」
「春日部、感謝する。
筒井、今すぐF4連れて、2-4に行け!すぐに採寸してもらえ」
「また命令かよ」
「チャパ、ウチらの次期エースを貸してやんだぞ、負けは許さねーからな」
「へーい、ありがと。怖いお兄さん達はほっといて、
いつも、とっても優しいお兄さんと採寸しに行こうねー」

「いやー、まさかライトが居るとはなー」
「それはこっちのセリフって話」
「ライト、お前、ダンスなんて出来んのか?」
「その言葉、あんたにそっくり返しますよ」
「なーんだ、ライトー。お前、筒井先輩と知り合いだったのかー」
「いえ、ただ知ってるってだけです」
「そ、知ってるだけ」

2-4教室、手芸部
何か凄い忙しそう。
「モモカ、なんか、忙しそうだね」
「チャパ?何か用ー?急に衣装の依頼が入っちゃって、マジで死にそうなんだけど?」
この時期に?あの女の依頼かな?
「あのー、忙しいところ悪いんだけど、この子達の採寸して欲しいんだけど、さー?聞いてる?」
「はぁ?あんた、あたし達殺す気ー?ただでさえ手数足りてないの、判る?」

「じゃ、じゃさ、とりあえず、この子達のサイズ測っといてくれる?
シノに、手伝える子、調達できないか、聞くから」
シノにLINEすると、すぐに5人くらいの子が集まった。

俺、裁縫で、雑巾くらいしか縫ったことないけど、
みんなで集まって、女子トークしながらチクチクしてるのって、
楽しそうだよな。

「すまんな。この部分は手縫いでないとうまく出来ないらしい」
意外だったのは、シノが針を滑らせていること。
真剣なシノって、悔しいけど、けっこう格好いいんだよなー。
「筒井、何、ジロジロ見てんだ」
「その、シノって、裁縫もできんだなーって思って」
「これくらいは日常茶飯事だ。
そんなことはどうでも良い、採寸が終わった者から、その辺でフリコピしてこい」
「ゼンくん、俺、あの人怖ーい。
ダン女もまだ居るっぽいから、とっても優しいお兄さんと柔道場行こうねー。
他の子も採寸終わったら柔道場に来てねー」

小虎の独り言:
春日部ヒロミは、スラムダンクの井上先生が書きそうな、ごっつい感じの人ですね。
芯はあるけど、不器用で、周囲とはあんま馴染んでいない感じ。
ウッチーは、BLEACHの平子隊長のような、ちょっと掴めない感じの人です。
どちらも、不良というわけではないですが、話しかけづらい所があります。
部活内ではとても求心力があるので、条件が合えば付き合いやすい人なんだと思います。

F4は、ほんと適当なんですが、Back Storyで勝手に使わせてもらっている増増と刺刺、
ショウとライトは仮面ライダーWの主人公二人から名付けました。
モブキャラで済まそうかなと思っていたのですが、顔があると、色々書きたくなっちゃいますね。
話し言葉が多い書き方なので、区別がつくようにF4には思いっきり口癖を盛り込みました。
Ep.5のまとめで、もう少し詳しく書きますね。

「悲愴」第二楽章
https://www.youtube.com/watch?v=u55JQtYayz8&list=RDMMu55JQtYayz8&start_radio=1
古典中の古典ですね。「月光」と、どっちにしようか迷ったんですが、
夕方の太陽と、ヨリくんのバックハグを想像したら、「悲愴」の方が良いかなと思いました。
やっぱ、曲、強いですね。

そんなわけでEp.5は夏休みが終わり、学祭まで4週間というところから始まります。

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