君が微笑んでくれるから Ep04 F4-4

君が微笑んでくれるから

俺はダンス部男子の春日部ヒロミの所へ。
ダンス部男子は特に決まった練習場もなく、校内の空いているスペースで練習している。
よくわかんないけどストリートダンスってのは、そういう文化らしい。
「おう、ヨリか、久しぶりだな」
「ヒロミ、久しぶり。ドレッドにしたんだ、カッコいい、似合ってるよ」
「名前で呼ぶなって、いつも言ってんだろ。
ヨリ、キスマーク、チラつかせやがって、何の用だ?」
「篠宮がさ、お前たちに学祭に出て欲しいって言ってんだよ」
「はぁ、篠宮が?あいつ、俺みてーなの嫌いだろ」
「嫌い嫌い、絶対嫌い。だから、俺が来てるってわけ。
篠宮、顔真っ赤にしてお願いしてんだぞ。想像してみろよ。笑えるだろ。
でね、ステージ映えする子、何人か推薦してもらいたいんだけど」
「そんなん知らねーよ。踊り使いたいんなら、女子使えばいいだろ」
「それがな、お前ら、YouTubeで、結構数字持ってるらしいじゃん」

俺は軽音が練習している第一視聴覚室へ。
もー、音大きくて、嫌い。
部屋に入ると、急に音が止む。
「えっと、あのー、今日グッチー来てるー?」
「なんだ、チャパか。何か用か?」
お前だって金髪じゃん。それに舌ピアス入れたのかよ、怖ぇー。

「単刀直入に言うけどさー、学祭に協力して欲しい」
「今更、協力しろだぁ?
オメー、25分、25分の枠もらうのに、
シノにめちゃ頭下げたの知らない訳じゃ無いよなぁ?」
「、、、実は、そのシノからのご指名、なんだよね、、」
「だったらチャパじゃなくてシノが直接言いに来いよ」
「シノ、恥ずかしくてグッチーに直接言えないだけなんだから」
「あのなぁー、オメーみたいなクソ生意気なチビが、シノに飼い慣らされてんの、
正直がっかりしたわ。もっと骨のある奴かと思ってたわ」
「はぁ?飼い慣らされてなんかねーわ。オメー、脳ミソ腐ってんのか?」
ウッチーに掴み掛かろうとすると、他の子達に引き留められた。

「まぁな、色々気に入らねーが、チャパのおかげで、備品をたっぷり補充出来たのは確かだ。
それに、あのチビに借し作んも、面白いかもしんねーしな」
「やった!グッチー、ありがとう」
「判ったから、くっついてくんな」

「えー、すげー。ヒロミ、こんなクルクル回って、どうやったらこんなん出来んの?」
「筋力もあるけどな、コツみてーのがあるんだよ」
「この火とか電気みたいのは、どうやって入れてるの?」
「これは斉藤達に編集してもらってる。
ほら、パリ五輪でブレイキンが採用されただろ。
だから伸びるかなーっと思って、気合い入れて、作ってもらってんだ」

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