翌日からも、結局、学校に行って、ダン女と振り覚え。
意外だったのは、ヨリくんが案外振りができなくて、、、
「ヨリ先輩、曲聞いてください。速くなってますよー」
「ヨリ先輩、エンカウント数えて下さい。」
「え、え?エンカウントって何?」
「音楽で4分の4拍子とか習うじゃないですかー?
この曲も4拍子なんですけどー、1、2、3、4って数えて踊っていると、
振りが先走っちゃいがちなんですよ」
「だから、ワンエン!、ツーエン!、スリーエン!、、って感じで
8分音符を数えられると、速くなっちゃうのが抑えられるし、メリハリがついたりするんです」
「手拍子でやってみましょうか」
「これで合ってる?すごく速くない?」
「合ってます合ってます。確かに速いですね。床をトコトコ叩きましょう。」
「じゃぁ、歌いながら、トコトコしてみましょう。エンの所は強めで」
へー、エンカウントなんて初めて聞いた。ストリートダンスって強拍と弱拍が逆なんだ。
「えー何それ。俺にもエンカウントってやつ、俺にも教えてよ」
昨日、練習しすぎちゃったから、すげー筋肉痛、それにすげー眠い。
手芸部に呼ばれ2-4で衣装合わせ。
「この衣装、結構、重いね」
「はい、コスプレイヤーが使うような豪華仕様ですから」
「ヒロ先輩のおかげで、けっこう予算が使えるので、思い切っちゃってますよー」
「へー。でも、これで動けるのかなー?」
「動いて下さい」
「あれ?ヒロ先輩、痩せました?」
「ダイエットなんかしてないよ」
「ちょっとここの所、詰めますね。」
仮の針みたいのを刺して、調整してる。
「ねぇ、この方が良いよねぇ」
「そうだね、ちょっと前後で確認しても良いですか?」
「はい、どうぞ」
眠いから、もう言われるがまま。
「ちょっとターンしてみてもらえますか?」
「はい、ターン」
「思ったより、ふわっと広がらないね」
「おもり、入れてみる?」
「ヨリ先輩は、上は少し短くした方が、足が長く見えますね。
胸元はもう少し広くとって、逆三角形が目立つようにしましょうかー」
衣装を調整してもらってると、キャッツアイがやってきた。
「あのですね、篠宮先輩からの伝令をお伝えします。
紅白の内容を大幅に変えるから、ヒロ先輩はー、軽音部の山口先輩、
ヨリ先輩は、ダンス部男子の春日部先輩と話をつけてくるように、とのことです」
「そんなの君らで出来るでしょ?」
「それは、、そうですけど、、、でも、あの、、、」
あー、そういえば、グッチーもヒロミも、身体でかいし、ピアスとかしてるし、
見えないところにタトゥーいっぱい入れてんのバレバレだから、女の子は怖いかもしんないな。
「判った判った。俺たちで交渉する」