君が微笑んでくれるから Ep03虎虎虎-4

君が微笑んでくれるから

「ヒロ、どこ行ってたの?」部屋に戻るとヨリくん。
「シノと話ししてた」
「もー、勝手にそういうことしないで。シノくんと会う時は俺も一緒に行くから。
また、シノくんと喧嘩したでしょ?」
「してないよ。シノ、可愛かったよ」
「本当?それならいいけど、本当?絶対、喧嘩したでしょ?」

「彼氏の言うことだよ、少しは信用してよー」
「信用できるくらい、大人しくしてくれたら信用するよ」
「おとなしくしてるじゃん」
「俺と一緒にいる時だけでしょ?」
「そんなことないよー。ねー、そろそろお風呂行こ」

部屋に戻って、しばらくイチャイチャしていると、扉をノックする音。
「はいはい、どうぞー」
ちょっと距離を離れて、服を整える。

「邪魔するぞ」枕を抱えた部屋着姿のシノ。
「あー、シノー。髪下ろしてるー。
髪下ろしていたほうが絶対可愛いよー。ヨリくんもそう思うでしょ?」
「風呂入った後に、わざわざセットするバカは居ないだろう」
「そうだね。いつもより柔らかい雰囲気にはなるね」

「で、何か用?」
「宮田から聞いたぞ。松尾、このバカと付き合っているそうじゃないか。
だから監視役として、今日からは俺もこの部屋で過ごす」
「はぁ?」
また、あの野郎、ペラペラと喋りやがって。

「こうなってしまったからには、お前たちの関係をとやかく言うつもりはない。
お前たちの関係は心から祝福する。
ただ、お前たちの関係が公になると、非常に都合が悪い。それは判るよな?」

「そんなん、知らねーよ。
シノだって、いつもイチャイチャしてんじゃん」
「それとこれとは、話が違う」
「シノくん、あのさ、俺たち、付き合い始めたばっかだからさ、
その、、何て言うか最初のドキドキした気持ち、判かってくれないかな?
そういうことされると、余計に火が付いちゃったりするかも、しれないじゃん?」

シノは俺たちの顔をジロジロと見比べて、鼻を鳴らす。
「フン、確かに、この雰囲気に割って入るのも、無粋だな。
お前らに借しを作るのも癪だしな。今回は大目に見てやる。
ただし、くれぐれも関係が公にならないよう、振る舞うように」
「へーい。知らねーよ、ばーか」

「菓子でも食っていたか?部屋に入った時に甘い匂いがしたぞ」
「食ってねーよ」
「そうか。松尾、部活を引退すると、運動量が急激に減るからな。
夜食は控えるように。学祭までは体型をキープしろ」
「命令ばっかすんなよ」

「筒井は、、、まぁ、そのままでいろ。じゃあな、おやすみ」
「なんだよ、あいつ。変な奴」

タイトルとURLをコピーしました