君が微笑んでくれるから Ep03虎虎虎-3

君が微笑んでくれるから

翌日、3-5教室。
「ねー、アマネー。このおニャン子って、何なの?全然可愛くないし」
「ヒロは相変わらず分かってないなー。
おニャン子クラブは秋元先生が手がけたグループでね、
後のモー娘。とかAKBにも多大な影響を与えたマイルストーンであって」
「へー、こんなのが?可愛く無いし、歌も全然上手くないし」

昭和史研究会。会員は5人くらいかな。
いつも自主練している教室が隣同士なので、
練習に飽きた時は、トシちゃんとか聖子ちゃんの動画を見せてもらってる。

「ねー、昭研で、学祭で出せるようなものってある?」
「学祭ねー。パネル展示で80年代アイドル特集をやろうって、作っているんだけどさぁ。
音とか映像が無いと、イマイチ伝わんないよね」
「だよね、昭和好きって人、けっこう居るけど、ほとんど意味わかんないし」
「でも、先生達に、昔の話を聞いて回ってたらさー、
うちわ受けしかしないネタができちゃったんだよねー」
「なにそれー、聞かせてよ」

キャッツアイのおかげで、各部との連携はわりとうまく行った。
時間を削られる部が多くなったけど、対戦形式なので一通り見ていてもらえるのも、
良いのでは無いかという、判断らしい。

お互い、手の内を隠しながら、一番手は男子シンクロとチア部、
3番手はコーラス部の混声合唱がほぼ決定か。
5番手はヨリくんと俺、ヒメとツカサは確定。

「シーノ君。白組の出し物決まったんだけど、見てくれるー?」
「見る見る、見るから、気持ち悪りぃなぁ。くっついてくんな」

「なるほど」
「ね、いいでしょ」
「しかし、何故4番手に俺の名前が入っている?承諾した覚えは無いぞ」
「だから今、交渉しに来ている。
シノ、お前、自分ちの道場で殺陣とか練習してんだってな。
場所も特定済み、ジョニー高倉道場のホームページにお前の写真が載っていた」

「学園内では誰にも教えていないぞ」
「そ、誰も知らない、知らないはずだった、けど、
お前がよこしてきたウチのキャッツアイは相当優秀でねー。
水野サヨリちゃんの塾友だったって人を見つけてくれたの。
中学ん時のお前の元カノの」
シノの顔がみるみる赤くなる。
「お前、キャッツアイを問い詰めたりすんじゃねーぞ。
それは守秘義務ですって、舌噛んで死ぬから」
「お前ってやつは、、、」

「でもさー、ガールフレンドを家に連れ込んで、いったい何してたのかなー?」
「何もしていない。たわいもない会話をしていただけだ」
「思春期の男女二人が、お話だけで、済むー?
テレフォン使っちゃおうかなー?」
「お前、マジでぶっ飛ばすぞ」

あーー、やっぱ、からかうと超おもしれーーー。
「学園内の人間に交渉して良いってのは、お前が出した条件。
学祭、最っ高に盛り上げたいんだろ。
俺たちだけ客寄せパンダにすんなよな、シオンくんっ」
「お前ってやつは、、、本当、マジで、好きになれねーわ」

「武道家はすぐに怒っちゃダメだよ。ほら、ニャーってして」
「髪触んな、言う、言うから、はい、ニャー照」
「あー、かわい、かわい、シノ可愛いー」
「くっついてくんな、気色悪い。」

タイトルとURLをコピーしました